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黒狐ラム

【種族】


本来は“黒毛の狐”。

強い願いと月光の力で人間化した存在。


【現在地】


ロスサントス

寿命を延ばす薬を探すため、

そして“人と生きる人生”を始めるために渡航


黒狐ラム — 雫とリタが繋いだ命の物語

【生まれと“別れ”】

黒狐ラムは、日本の深い山で生まれた。

生まれつき黒い毛並みを持つ彼は、

“色の違う個体は天敵に狙われやすい”という理由で、

群れを危険に晒す存在とされた。

母は涙を堪えながら、最後に鼻先を寄せた。

──「ごめんね。でも、生きて。」

その一言だけを残し、ラムは山に置いていかれた。

夜は長く、痛いほど静かだった。

でも、黒い空を見上げると少しだけ落ち着いた。

「自分と同じ色だ。」

そう思えた唯一の存在だった。

【少女“雫”との出会い】


嵐のあった翌日。

山に一人の少女が迷い込んだ。

名前は 雫(しずく)。


雨の日だけ元気になる、不思議な少女だった。


雫は震える黒狐ラムを見つけると、

自分の傘を丸ごと差し出して言った。


「黒いからって嫌われるの、キミだけじゃないよ。

でも私は…好きだよ。夜みたいで落ち着くもん。」


その言葉は、黒狐ラムの胸に初めて温度を灯した。


それから雨の日になると、

雫は必ずラムに会いにきた。

彼女は病弱だったが、いつも笑っていた。


言葉が通じなくても、雫はラムを“友達”と呼んだ。


黒狐ラムは、生まれて初めて

「人と関わりたい」と願うようになった。



■【少女の死】


やがて、雨が降っても雫は現れなくなった。

何日も、何十日も待った。


そしてある日、

村人が運ぶ小さな白い箱を見て、

ラムは全てを悟った。


雫の母がぽつりと呟いた。


「雨が好きだったのは……あの黒い狐に会うためだったのね。」


黒狐ラムの世界は再び真っ暗になった。

でもそれは孤独の暗さではなく、

胸に穴が開いて雨が降り続くような痛みだった。



■【狐から人へ】


雫の墓前で、ラムは願った。


「もう一度、人と──関わりたい。

雫みたいに笑ってくれる誰かと。」


その強すぎる願いに応えるように、

月光がラムの身体を包み込んだ。


骨が伸び、声が変わり、

気づけばそこには 人間の姿のラム が立っていた。


名前も言葉もない。

ただ、雫がくれた“人を愛する心”だけがあった。



■【バーの店員“リタ”との出会い】


街に降りたラムは、夜のバーの扉を押した。

そこには銀髪の女性がいた。

名前は リタ(Rita)。


「いらっしゃい。迷い子の狐さん?」


ラムは睨むようにそっぽを向く。

もともとのツンデレな気質がそのまま出た。


リタは笑って、透明なカクテルをついだ。


「これはXYZ。

“終わり”を意味する最後のカクテル。

でもね、終わりがあるから人は誰かに救われるの。」


ラムはその言葉に胸を締め付けられた。


「名前、あるの?」


ラムは首を振る。


「じゃあ今日から“ラム”。

強くて、でもあったかいお酒からもらった名前よ。」


そしてリタはラムの目を覗き込む。


「本当は人と仲良くしたいんだろう?

雫って子を…救いたかったんだろう?」


ラムは何も言えなかった。

心の奥を触れられすぎて、目をそらすしかできなかった。


リタは微笑む。


「だったらまだ終わりじゃない。

XYZはね、“終わりからまた始める人”が飲むお酒でもあるの。」


ラムの胸に熱いものがこみ上げた。



■【ロスサントスへ — 寿命を延ばす薬】


リタはラムの体温や治癒力の異常さから、

彼の寿命が短いことに気づいた。


「ラム……あんた、長く生きられない体よ。」


ラムは肩をすくめた。


「別に、いい。」


「よくないわよ。

雫に“生きる”って約束したんでしょ?」


リタは航空券を差し出した。


「ロスサントスには寿命を延ばす研究がある。

行っておいで。

あんたはまだ誰ともちゃんと関わってないでしょう?」


ラムはゆっくり頷いた

黒狐ラム

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